DTMって全部でどんなプロセスがあるの?
作った曲を公開したいけどどうすればいい?
オリジナル曲を公開するまでのワークフローが知りたい方はいると思うのですが、意外なほど情報がなかったりしますよね。
それはDTMで情報発信している方が、アーティストではなく、作家やエンジニアの方に多いからかもしれません。
実際、アーティスト志望の僕も、初心者の頃は右も左もわからず途方にくれていました。
まがりなりにも必要なプロセスやスキルを見出すのに、時間も手間も相当ムダにしてきたんですよね。
ですので、ここでは作曲やDTMを始めたばかりの初心者の方や実際に曲を作っている中級者の方のために、ヒラメキから公開に至るまでのワークフロー全体をわかりやすく解説していきます。
どんなプロセスがあるか把握しておけば、自分の得意・不得意なポイントを判別しやすいですし、一部を外注するなどワークフロー全体を効率化することもできますからね。
では、まいりましょう!
全体の流れ
最初に全体を確認しておきましょう。
頭の中にアイデアがひらめいてから、実際にそれを形にするまでには、大きく分けて4つのカテゴリがあり、その下の工程(プロセス)単位でみると10個に分類できます。
- 創作:作詞、作曲、アレンジ(編曲)
- エンジニアリング:レコーディング、ミキシング、マスタリング
- ビジュアライズ:アルバムカバー制作、MV制作
- 配信・投稿:ディストリビューターへの配信、SNSへの投稿
便宜上、時系列のように並べていますが、3つ目の「ビジュアライズ」は音源制作とは別個の作業なので、他のプロセスに並行して制作を進めることもできます。
各プロセスは、突き詰めるとそれぞれに専門家がいるほどの奥が深いものです。
仮にDTMerとしてこれらすべてをワンオペでこなす場合、すべてのやり方を一通り知っておく必要があるということですね。
では、各カテゴリーとプロセスを一つ一つ見ていきましょう。
I. 創作
①作詞・②作曲
創作の根幹となるプロセス。
作詞と作曲のどちらを先におこなうかは、Jポップでは作詞先行でつくる場合を「詞先」、作曲先行でつくる場合を「曲先」といったりします。
どちらがハマるかはケースバイケースですが、どちらかを先に作ると、どうしても合わせるのが難しい場面が出てきてしまいがち。
そのため、可能であれば「詞先」でも「曲先」でもなく、作詞・作曲を同時におこなうスタイルが後々一番迷いが少ないかなと個人的には思います。
③アレンジ
作詞・作曲で立ち上げた楽曲は、基本的にはコードとメロディーによるシンプルな状態です。
それを肉付けしていくのがアレンジの作業です(もちろん、ひらめいた時点で、アレンジのイメージまでできあがっていることもありますが)。
具体的には、次のような項目の設定や変更が含まれます。
- ジャンル
- BPM
- ビート(リズム)
- コード(ハーモニー)
- 追加する楽器(パート)
- 楽曲構成
- オートメーション
もちろん、アレンジによって詞やメロディーを調整することもありえますよ。
II. エンジニアリング
作詞・作曲・アレンジが終わったら、エンジニアリングに移行します。
エンジニアリングとは簡単にいうと、「音楽」を「オーディオ」にするプロセスのことです。
アーティストではなく、エンジニア=職人の世界ということですね。
④レコーディング
ボーカルや生の楽器を録音するプロセス。
DTMでは、オーディオインターフェイスにマイクや楽器を接続して、歌や演奏をDAWに入力する作業になります。
レコーディングでは、オーディオインターフェイスやマイクなど、ハードウェアの品質が音質の良し悪しに直結します。
⑤ミキシング
通称「ミックス」。
歌、楽器など、それぞれのパートの音量、パンニング、ステレオイメージを調整するプロセスです。
⑥マスタリング
ミキシングを経た音源を製品化するためのプロセス。
コンプレッション、イコライジング、サチュレーション、音圧などの最終調整をおこない、楽曲を製品化します。
III. ビジュアライズ
⑦アルバムカバー制作
アルバムカバーの制作。
デジタル配信やCDなどのフィジカルに必要なアルバムカバーを制作します。
⑧MV制作
ミュージックビデオの制作。
SNSなどの動画チャネルで使うMV/PVを制作します。
IV. 配信・投稿
⑨ディストリビューターへの配信
ディストリビューターへの楽曲の登録と配信。
出来上がった楽曲をディストリビューターに登録し、各種サイト・販路への配信や流通を委任します。
- デジタル配信のみの場合
SpotifyやApple Musicなどの音楽配信プラットフォームに一括配信するデジタル専用のディストリビューターに登録し、そこから配信登録をします。 - CDなどのフィジカルも流通させる場合
流通業者に登録し、流通やデジタル配信を一括で委任します。
⑩SNSへの投稿
楽曲のSNSへの投稿。
各種SNSに投稿し、楽曲を周知します。
自分の負担を減らすには?
すべてをワンオペでこなすのもよいですが、一通り流れがわかったら外注を効果的に活用して生産性を高めるとよいでしょう。
その際、「コスト」と「品質」の点で、人に任せる作業をどこまで許容できるかを決めておくのが重要です。
「〜万円も払ったのに、この品質!?」となっては元も子もありませんからね。
音楽仲間やSNS、クラウドソーシングなどを通して、信頼できる作業者さんを見つけておくのが大事です。
自分が全体を理解しておけば、曖昧な表現ではなく「〇〇をXXのようにしてください」と具体的に指示できるので、作業をブラッシュアップしやすくなりますよ。
そうしてワークフローを効率化していきながら、重要な部分(多くの場合、「創作」フェーズの作詞/作曲/アレンジ)により自分の時間を割けるようにしておきましょう。
まとめ
今回は「DTMの全工程」について解説しました。
僕がDTMを始めた頃は配信までにどのようおな工程があるのかがわからずに途方にくれましたが、最初から全体を理解しておけば発生する作業や必要なスキルが明確になるので、迷いは確実に減るはず!
「全体はわかったけど、これからDTMをはじめるにあたって何からそろえたらいいの?」
という方は、ぜひこちらの記事も併せて読んでみてください。
また、一通り必要なものをそろえた後に購入すべきおすすめプラグインは、こちらをチェックしておきましょう。
え?初心者はもう卒業したって?
脱初心者の方で制作に行き詰まっているなら、こちらの記事がお役に立てるかもしれません。
以上です。
DTMに悩みや迷いはつきものですが、細分化して1つずつ問題を解決していけば、必ずよい結果に繋がります。
ぜひ、あなただけのよい音楽を作って世界にまだ見ぬ名曲を轟かせちゃってください!
ではでは、リュウでした!
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